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仮面城(日文版)-第17章

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「あの小僧はどうした?」
「それがどうもおかしいんです。クロロホルムをかがせてあるから、ついだいじょうぶと船室にカギをかけずにおいたら、いつの間にかいなくなっているんです」
「バカやろう!」
 怪人の口から|雷《かみなり》のような声がふってきた。
「それで見張りの役がすむと思っているのか。もう一度、船中を残らずさがしてこい!」
「は、もうしわけありません」
 ものすごい怪人のけんまくに、さすがあらくれ男の水夫たちも、青くなってあたふたと、階段をかけおりていった。
 そのうしろすがたを見送って、怪人はあらためて、大野老人のほうへむきなおった。
「いや、大野先生、船中ではなにかとご無礼をもうしあげましたが、上陸のあかつきにはいろいろとおわびもうしあげます。むこうには先生の弟さんもいらっしゃるはずですから」
 それから文彦のおかあさんのほうへむきなおると、
「それから竹田のおくさん、あなたもいろいろご不自由をかけましたが、もうしばらくのしんぼうです。大野先生がわたしたちの命令にしたがってくだすったら、あなたはぶじに帰してあげます。
 だから、あなたからもくれぐれも、先生によろしくおねがいしてください」
 ああ、なんという虫のよいことばだろう。銀仮面の一味は大野きょうだいを茫趣筏迫嗽欹昆ぅ浃蚊孛埭蚴证摔い欷毪蓼恰⑽难澶韦ⅳ丹螭颉⑷速|にとっておくつもりなのだ。
 文彦のおかあさんは、まっ青になって涙をうかべ、大野老人は歯ぎしりをしてくやしがったが、そのときどうやら、船は上陸地点へついたようすだった。

     仮面城

 船中をすみからすみまでさがしても、三太少年のすがたはとうとう見つからなかった。怪人もしかたなくあきらめて、一同に上陸を命じた。きっと途中で、海のなかへとびこんだと思ったのだろう。
 やがて怪人と捕りょのふたりをのせたボ趣ⅳ蓼孟趣舜颏悉胜臁ⅳ饯韦Δ筏恧摔悉い恧い恧魏晌铯颏膜螭廊饯Δ违堠‘トがつづいた。
 いくことおよそ十分あまり、やがてボ趣膜い郡趣长恧稀⑶肖炅ⅳ盲郡瑜Δ识悉い韦栅猡趣坤盲俊
「さあ、おりろ」
 怪人は、片手にふたりの捕りょをしばった綱の端を持ち、片手でピストルをにぎっている。少しでも逃げだしそうなようすが見えたら、ズドンと、ぶっぱなすつもりなのだろう。ふたりの捕りょはよろよろと、力なくボ趣檠窑紊悉丐炅ⅳ盲俊
 そのふたりをなかにはさんで、怪人の一行は、切り立ったような絶ぺきをのぼっていく。絶ぺきには岩をきざんで階段が作ってあり、船員たちは手に手にたいまつをふりかざしているのだ。
 のぼること約百メ去搿ⅳ瑜Δ浃坤妞毪浃摔胜盲皮郡人激Δ取ⅳ浃埔恍肖悉蓼肖椁食嗨闪证韦胜顺訾俊3嗨闪证韦Δ筏恧摔稀⒋螭恃窑饯婴à皮い搿
 その岩のまえまでくると、
「とまれ!」
 怪人が強く綱をひいたので、ふたりの捕りょはおもわずよろよろ立ちどまった。
 怪人は懐中電燈の光をたよりに、岩の上をさぐっていたが、するとどうだろう。何十トンもあろうという大きな岩が、ぶきみな音をたててしずかに回転していくではないか。そして、そのあとにポッカリひらいたのは、地獄の入り口のようなどうくつだった。
「あっはっは、なにもおどろくことはない。これこそ仮面城の入り口だ。これでもなかにはちゃんと電燈もついておれば、水道もひいてある。先生がたのご研究には、なにも不自由はございませんから安心してください」
 大野老人と文彦のおかあさんは、おもわず顔を見合わせた。怪人はまた強く綱をひいて、
「前へすすめ! なにもこわがることはない。ぐずぐずせずに早く步かんか!」
 うしろからせきたてられて、ふたりの捕りょはしかたなく、このぶきみなどうくつのなかへはいっていった。すぐそのあとから、一行が、どやどやと穴のなかへもぐりこんだ。
 こうして一同がはいってしまうと、またもや大きな岩が動きだして、仮面城の入り口は、ぴったりとざされてしまったのである。
 あとは深夜のしずけさで、聞こえるものとては波の音ばかり。
 と、このときだった。松林のなかでバサリとマツの小枝がゆれたかと思うと、ガサガサと|下《した》|草《ぐさ》をわけて、サルのようにとびだしてきた一つの影があった。
 その影は、岩のまえに立ちよると、耳をすまして、ジッとなかのようすをうかがっていたが、そのときだった。雲をやぶった月の光がサッとその男を照らしだしたが、見ればそれこそ、枺┩澶伟钉冥椤ⅳい辘摔工盲谱筏盲皮俊⑴M枨嗄辘扦悉胜い
 ああ、それにしても三太少年はどうしたのだろう。三太はほんとうに、海へとびこんでしまったのだろうか。

     燃える怪汽船

 牛丸青年はしばらく岩に耳をあて、なかのようすをうかがっていた。岩に耳をあてたところで、耳が不自由なのだからなにも聞こえるはずはないが、そうしてからだをくっつけていると、やはりなにかのけはいがわかるのだろう。
 牛丸青年は息をころして、なかのようすをうかがっていたが、やがて安心したように、岩の表をさぐりはじめた。
 おそらくさっきの怪人が、岩をひらいたあのしかけをさぐっているのだろう。しかし、銀仮面の一味もさるもの、そんななまやさしいことで、すぐわかるような、しかけをしておくはずがない。
 牛丸青年はがっかりしたような顔色で、岩の表をながめていたが、やがて全身の力をこめて、岩を押してみた。しかし、牛丸青年がいかに怪力とはいえ、何十トンもあろうという岩が、そう、やすやすと動くものではない。
 牛丸青年はいよいよがっかりした顔色で、うらめしそうに、岩の表をながめていたが、そのときなのだ。きゅうにあたりがパッと明るくなったのは……。
 牛丸青年はびっくりして、ハッとうしろをふりかえったが、そのとたん、おもわず大きく目を見張った。
 ああ、なんということだろう。さっきの牛丸青年が、いかりにぶらさがってきた宝石丸が、いまやえんえんとして燃えあがっているではないか。
 おそらく船員のだれかのそそうから、火が燃料に燃えうつったにちがいない。見る見るうちにほのおが船ぜんたいを押しつつんで、牛丸青年には聞こえなかったが、パチパチともののはじける音、ドカン、ドカンとなにかの爆発するひびき。
 あたり一面、ま昼のように明るくなった海面を、船からとびこんだ船員たちが、助けを求めながらただよっているのだ。
 牛丸青年はびっくりして、しばらくこのありさまをながめていたが、と、このとき、かれのもたれていたあの岩の戸がぐらぐら動きだしたので、牛丸青年はギョッとして、もとの松林にとびこむと、下草のなかに身をふせた。
 すると、ほとんどそれと同時に、岩の戸が大きくひらくと、なかからとびだしてきたのは、十人近くの人影である。船から無電をうけとったのか、それとも物音に気づいてとびだしてきたのか、燃えさかる船を見ると、しばらく、ぼうぜんとして立ちすくんでいたが、やがて、口ぐちになにかわめきながら、岸ぺきを目がけて走っていった。そして、そのすがたはまたたくうちに、岸ぺきにきざまれた、あのあぶなっかしい階段のほうへ、見えなくなってしまった。
 そのうしろすがたを見送って、松林のなかからはいだしたのは牛丸青年。岩の戸のところまできてみると、なんとそれはひらいたままではないか。さすがの悪者たちも、よほどあわてていたと見えて、しめるのを忘れていったのだ。
(しめた!)
 口がきけないのだから、ことばにだしてはいわなかったが、牛丸青年はいかにもうれしそうにあたりを見まわした。
 と、このときだった。
 とつぜん、船の中央から、ドカ螭趣いΔ猡韦工搐ご笠繇懁黏长盲郡人激Δ取⑻欷蓼扦趣嗓瑜Δ胜蓼盲驶鹬激àⅳ盲俊¥取⑼瑫rに燃えあがるほのおと、煠κ瑜蜓氦筏膜膜摺⒋悉筏肖椁I悉颉ⅳ韦郡Δ沥蓼铯盲皮い郡ⅳ浃皮蓼盲驻郡膜摔丹堡郡人激Δ取ⅳ证证群¥韦胜厣颏螭扦い韦坤盲俊
 牛丸青年はそれをしり目にかけながら、用心ぶかく、仮面城のなかへもぐりこんでいった。

     トランクのなか

 どうくつのなかはコンクリ趣扦郡幛椁欷俊ⅳ辘盲绚实叵碌坤摔胜盲皮い搿
 天じょうにはおちついた蛍光燈の光がかがやき、ろうかの両側には、ところどころ、緑色にぬった鉄のとびらがあった。人影はどこにも見えなかった。
 牛丸青年は用心ぶかく、そのろうかをすすんでいった。間もなく下へおりる階段にぶつかった。見るとその階段にはまだ新しい足跡が、いりみだれている。
 さては悪者たちはこの階段をおりていったのか……。
 そう考えた牛丸青年は、あいかわらず用心ぶかく、その階段をおりていった。階段をおりると、そこにまたさっきとおなじようなろうかがあったが、そこからまた、下へおりる階段がついているのだ。そして、いりみだれた足跡は、その階段をおりている。
 牛丸青年は用心ぶかく、その足跡をつけていったが、やがて階段をおりきると、足跡はこんどはろうかの奥のほうへつづいていた。
 つまり、この仮面城は地下三階になっていて、小さなビルディングくらいの大きさをもっているのだ。
 牛丸青年は内心舌をまいておどろきながら、足跡を伝ってろうかを奥へ奥へとすすんでいったが、とつぜん、ギョッとしたように立ちすくんだ。
 牛丸青年から五メ去毪郅汕胺饯恕⒑晌铯饯韦瑜Δ摔膜螭扦ⅳ搿¥丹盲瓙櫿撙郡沥⒈κ瑜椁膜坤筏亢晌铯扦ⅳ搿¥饯韦胜恕⒋螭圣去楗螗护膜ⅳ盲郡⒁姢毪趣饯违去楗螗韦栅郡ⅳ啶啶认陇椤ⅳ猡沥ⅳ盲皮毪扦悉胜い
 牛丸青年はギョッとして、急いで物陰に身をかくすと息をころしてトランクを見つめていた。
 そんなこととは知るや知らずや、トランクのふたは三センチ、五センチ、七センチと、少しずつひらいていったが、やがて十センチほどひらいたかと思うと、そのままピタリと動かなくなってしまった。
 おそらくなかの人物が、あたりのようすをうかがっているのだろう。や
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